ベンロマック
Benromach Distilleryベンロマック蒸留所のオーナー(所有者)は、ウイスキースペシャリストとして名高い老舗インディペンデント・ボトラー(独立瓶詰業者)のゴードン&マクファイル社(以下、GM社)です。同社は100年以上に渡る長い歴史を持ちますが、その悲願でもある蒸留所の獲得を果たしたのは1993年のことです。同じく100年近い歴史を持ちながら、オフィシャル・ボトルはほとんど発売されず、その実力を埋もれさせたまま歴史の中に消えていこうとしていたベンロマック蒸留所。その秘めた可能性の復活にGM社が全精力を傾け、5年の月日をかけて蒸留所を立て直しました。
伝統、技術、情熱、歴史、そして人々の想い・・・その全てを受け継いでいるのがベンロマック蒸留所なのです。
ベンロマック 10年
Benromach 10YOGM社の悲願のモルト、ベンロマック10年が、2015年4月よりいよいよ日本でも発売されることとなりました。ウイスキーの生産に一から携わることが同社創業時からの長年の願いでしたが、1993年にベンロマック蒸留所を買収。5年をかけて蒸留所の再生に努め、1998年から生産を再開し、2009年にようやくリリースされたのが、この「10年」です。GM社が選び抜いた高品質のシェリー樽とバーボン樽で熟成した後、オロロソ・シェリー樽にてフィニッシュ。各バッチの一部を次バッチへ混ぜる「ソレラ方式」で生産することで、ボトリング毎の品質や味わいが一定に保たれています。またパッケージのリニューアルに伴い、味わいもピートとスモーク感が増し、シェリー樽の影響もしっかりと感じられます。オフィシャルスタンダードの10年物とは到底思えないほどの熟成感を、ぜひお試しください。
ベンロマック 15年
Benromach 15YOスモークの角が取れ、チャーされた樽の繊細なスモーク感、樽から染み出した汁気たっぷりの蜂蜜、バニラ、フルーツと旨みある滑らかな液体にしあがっています。新たな歴史の刻みを感じさせるベンロマックの新商品、ぜひご堪能ください。
ベンロマック 21年
Benromach 21YOベンロマックのユニークな特徴であるファーストフィルシェリーとバーボン樽による熟成により、ふくよかなシェリー香の後に、わずかなスパイス、ラズベリーといった風味にオレンジを思わせるニュアンス、そして心地よいスモーキーなフィニッシュへと繋がる実にスケールの大きなウイスキーです。
MADE BY HAND FOR GENUINE CHARACTER ~全ては職人の手から~
私たちベンロマックは、ウイスキー本来の個性を最も大事に想う、ウイスキー好きな一族が所有する、スペイサイドの昔からある蒸留所です。ここでは物事は、とてもシンプル。ウイスキーを作るディスティラーは片手で数えられる人数しかいませんが、その高い専門性と感覚で、良質なウイスキーを手作りしています。かすかなスモークをまとった手作りのスペイサイドウイスキーは、すべて信頼に足るファーストフィルの樽に入れられます。そう、必要なのは、大麦、水、イースト、そして職人の手なのです。
すべての樽詰めは手作業で行われ、一つ一つ計測し詳細を書き込まれ、伝統的なダンネージスタイルの倉庫で眠りにつきます。なぜか?それはベンロマックにおいては、手作業でウイスキーを作ることこそ、真実の味わいを引き出せると信じているからです。
蒸留所の背後、数キロ離れたところにあるロマック丘から流れ出る、チャペルトンの泉。蒸留所では、このミネラルウォーターを仕込み水にしています。
古のスペイサイドにおいて、石炭の供給が足りなくなった時代にピートを代用して燃料にした習慣に倣い、ベンロマックでは地元で生育した大麦にかすかにスモークを焚き込み、モルトにしています。その後120年前に作られたモルトミル「ボビーミル」の4つのローラーで、グリストにしていくのです。最終的にミディアムピートのモルトになるよう慎重に管理し、この唯一無二の個性的なスペイサイドウイスキーを作っています。
マッシュを作るときには、グリストと水を混ぜますが、この水は120年前から蒸留所で使っているものと同じものです。蒸留所のすぐ裏手にある、ロマック丘のチャペルトンという泉から湧き出る天然水です。段階的に温度を上げて3回に分けて注水することで、麦芽の味わいや良質な成分が引き出され、穀物のでんぷんが糖分に変わっていきます。マッシュタンの中の大きな撹拌機が二度ほど混ぜると、複雑でモルティな個性のあるもろみができあがります。
発酵は、カラマツ製のウォッシュバックで長めの3~5日間続きます。通常ブリュワーズイーストとディスティラーズイーストの二種類を使い、より完全な発酵を促し、より複雑な味わいにしあがるようにしていきます。
特注の蒸留器二基によって蒸留されたスピリッツはミディアムボディで、いかなる熟成期間にも適しています。ウォッシュは専門性と経験に富んだスタッフが手作業でスチルに移し、水質の確かな水と共に初留を始めます。ヘッドとテイルを見極めるディスティラーたちの眼は、そのスピリッツを最も品質の高いものにするために、カットするその瞬間に最も厳しくなります。そして一番の中心部分が、新樽に入れられ何年もの熟成に備えるのです。
良い樽は、良いウイスキーを作るための絶対条件です。そのウイスキーの味わいを大きく決めるのは、バーボンにしろシェリーにしろ、一度それらを熟成した後に初めて使われる樽です。ベンロマック蒸留所では、このようなファーストフィルの樽だけを使用し、柔らかくて甘い味わいに仕上げています。熟成中も気を抜くことなく、その味わいが正しく変化しているか、厳しく管理しています。
生まれたてのベンロマックを手作業で樽に詰めたあとは、ダンネージ式の熟成庫まで転がしていきます。ダンネージ式の倉庫は、室温を一定に保ってくれ、モルトウイスキーの熟成に理想的な環境を整えてくれます。